危険生物かれん 気まぐれ 男性の声劇シナリオ置き場

これは気軽に声劇をやりたい人向けの自作シナリオ公開ブログです 悪用しない限り自由です

地獄門鬼恋恋歌 第弐門 酒吞童子 五右衛門

男3女性1不問1で書かれています

 

①八咫丸 男性 元凄腕の忍びで今は盲目の黄泉がえり

 

八咫烏 男性 日本の夜明けを守る三本足の烏

 

③桃姫 女性 鬼の最後の生き残りの少女

 

④織田&五右衛門 男性

〇織田 地獄で復活を機をうかがう魔王

〇五右衛門 義理堅い優しい大泥棒

 

⑤混沌 不問

この物語の弾き手

その声と姿は観測者によって変わる

 

この先からは本編です

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

八咫烏:これは、江戸が終わり、、、豊臣が日本を統治しようしていた頃話
八咫烏:消えた忍者や闇夜に消えた強者【つわもの】共は
八咫烏:地獄門を鬼の首を差し出すことでくぐり
八咫烏:黄泉の力を手にした
八咫烏:そして、黄泉帰りとして帰り
八咫烏:日本を闇夜に沈めようとしていた、、、

織田:「退屈【たいくつ】じゃのう〜混沌【こんとん】よ」
混沌:「あらあら、織田様」
混沌:「そんな、同じようなことを 述【の】べられてわ」
混沌:「天の目に呆【あき】れられますよ?」
織田:「ん〜?なんじゃ?その天の目とは?」
混沌:「私たちがこうして、彼らを眺めているように」
混沌:「私たちを 上から眺めているものがいるのです」
織田:「わしはそんなやつらの、ご機嫌取りではないわい」
混沌:「分かっております、、、退屈も地獄門が 開かれるまでの些細【ささい】なこと」
織田:「うむ、、、じゃが、面白みがほしいとこじゃ」
織田:「ほれ!混沌!」
混沌:「なんでしょう?」
織田:「三味線【しゃみせん】で聞かせられる。あ奴【やつ】らの歌は無いのかの?」
混沌:「ちょうど良きものが1つ、、、」
織田:「ほう!、、、それは、良き報【しら】せじゃ!」
混沌:「織田様は天下の 大泥棒【おおどろぼう】を知っておりますか?」
織田:「なんじゃ?その小物臭【こものしゅう】しかしないやつは」
混沌:「織田様の刀が着く前に国が送った刺客、、、それが、天下の大泥棒【おおどろぼう】 五右衛門なのです」
織田:「国が黄泉帰りを抱っておったのか!?、、、サルめ♪」
混沌:「嬉しそうですね、、、」
混沌:「さて、、、これは、彼との戦いの話」

五右衛門:地獄門鬼恋恋歌 第弐門 酒呑童子【しゅてんどうじ】 五右衛門【ごえもん】

混沌:「夕暮れ時、それは黄泉帰りの身体が軽くなる時間」
混沌:「起きていたのは 目を布で隠した侍」
混沌:「八咫丸【やたまる】は 夕食の支度【したく】をしていた」
八咫丸:「良き魚、野菜、味噌があって良かった、、、これで、鍋にできる」
八咫烏:「お前は、本当に鍋が好きだな、、、兄弟」
混沌:「近づいてくるは 足が3本の奇怪【きかい】な烏 八咫烏【やたがらす】」
八咫烏:「奇怪じゃないやい!」
八咫丸:「誰に話している?兄弟」
八咫烏:「いや、、、気にしないでくれ」
八咫丸:「そうか、、、」
八咫丸:「ちなみに、拙者【せっしゃ】は鍋好きではない」
八咫烏:「ほう?」
八咫丸:「鍋であればみんなでつつけて食べやすいからだ」
八咫烏:「なるほど」
八咫丸:「そうして、互いに話して情報交換するのだ」
八咫烏:「ん、、、そうか!」
八咫丸:「流石、、、感が良いな兄弟」
八咫烏:「その口実【こうじつ】で 桃姫様と仲良くなるのだな!」
桃姫:「そういう話は本人のいないとこでしろ」
混沌:「まだ、おなごである 桃姫はそう言う」
八咫烏:「まぁまぁ、桃姫様。我らの誠意だと 思い受け取ってくだされ!」
桃姫:「そなたは何もしてないだろ?八咫烏
八咫丸:「いえ、、、そのような事はございませぬ」
八咫烏:「そうでありますぞ!我は八咫丸の兄弟であり目なのです!」
桃姫:「えと、、、と、言うと?」
八咫丸:「八咫烏が見たものを 拙者が見ることが出来るのです」
桃姫:「何と!」
八咫烏:「我らが、兄弟の契【ちぎ】りを交わしているゆえの力です」
桃姫:「黄泉の者の契約とは、そんなものを与えるのか!」
八咫丸:「月詠【つくよみ】を扱【あつか】えるのも 八咫烏のおかげでございます」
桃姫:「そう、聞くと二人で一人であり 兄弟うのも納得【なっとく】がいく」
八咫烏:「血より濃い絆だと、我も信じておりますぞ!」
八咫丸:「その思いに答えられるよう、、、精進【しょうじん】いたす」
桃姫:「八咫丸は相変わらず堅苦しいの〜」
八咫丸:「はぁ、、、」
桃姫:「妾【わらわ】に恋するといいながら、こう、、、距離のある言葉を使うのはどうかと思うぞ?」
八咫烏:「我もそう思うぞ!兄弟!」
八咫丸:「なんと!目上の方との恋とは、その離れた関係を楽しむものかと!」
桃姫:「、、、お主、変な知識ばかりはあるようじゃな」
混沌:「仲良く話していると」
混沌:「カタカタ!っと 何かが動く音がする」
八咫丸:「!? 侵入者のようです」
桃姫:「こんな、夜更けにか?」
八咫烏:「兄弟!気をつけろ!強者【つわもの】の匂いがぷんぷんするぞ!」
混沌:「刀を構え食事の用意された居間を開けると」
五右衛門:「おう!いつまでも、話してるから先に食べておったぞ!」
混沌:「アフロのような 頭に甚平【じんべい】を着た人物がいた」
八咫丸:「貴様!」
五右衛門:「おっと、、、」
混沌:「刀を抜こうとする 鞘【さや】に一瞬で近づき 手で柄【つか】を押さえる 五右衛門」
五右衛門:「抜くには早いじゃろ?半蔵殿、、、今は八咫丸殿かの?」
八咫丸:「お主!」
桃姫:「やめろ!八咫丸!」
混沌:「止める桃姫」
桃姫:「その者は、よく国の使いとして来ていた五右衛門じゃ!」
八咫丸:「五右衛門?」
五右衛門:「まぁ、、、お主からみたら、おいらは小さな盗人【ぬすっと】よ!」
混沌:「さて、、、と、瓢箪【ひょうたん】を取り出す 五右衛門」
混沌:「皿に中の酒を注ぎ」
五右衛門:「宴としようではないか、、、二人で食べるのは寂しかろう?」
八咫烏:「我もおる」
五右衛門:「わはははは!そうであったの!」

織田:「五右衛門?」
混沌:「石川 五右衛門、、、お知りなさらず?」
織田:「ただの盗人のことなど、気にもとめんわ」
混沌:「ですが、彼は ただの盗人ではありませぬ」
織田:「ほう、、、」
混沌:「元、忍び、、、」
織田:「なんと!こんな奴もおるのか!」
混沌:「えぇ、、、どこの方は控【ひか】えておきましょう」
織田:「そう言われると、、、気になるではないか!」
混沌:「そのくらいが良いです」
混沌:「知れば幸せとは限らないのですから、、、」
織田:「お主の目のようにか?」
混沌:「えぇ、、、」
混沌:「では、、、続きを弾【ひ】いていきましょう」



五右衛門:「ふははは!しかし、八咫丸どのよ、、、食事だけならともかく」
五右衛門:「晩酌【ばんしゃく】にも付き合ってくれてるとはのう!」
八咫丸:「桃姫も、信頼しているお方ゆえ」
八咫烏:「おいおい!兄弟!そやつは国の使いだぞ!」
桃姫:「五右衛門は信頼たる人物だ、、、安心せい」
五右衛門:「いや、、、そうでも無いさ」
混沌:「そうして、最後の酒を飲み終える 五右衛門」
五右衛門:「桃姫、、、おいらはあんたを殺しに来た」
桃姫:「、、、そんな!なぜ?」
五右衛門:「今まで、あんたの死を国に隠せてきたが、、、そろそろ限界だ」
八咫丸:「織田の、、、刀達か?」
五右衛門:「左様【さよう】、、、地獄に落ちた彼らは織田の旗本【はたもと】に集まっておる」
五右衛門:「敵も味方も問わずにな」
桃姫:「なぜじゃ?」
五右衛門:「現世に戻り、名お馳【は】せ、夜を楽しみたいものじゃ」
五右衛門:「地獄に落ちたものは皆、夜が恋しくなる」
八咫烏:「そなたもか、、、」
五右衛門:「あぁ、、、御国【おくに】に全てを奪われ 釜焼きされた おいらは」
五右衛門:「酒呑童子の肉を食わされ 黄泉帰りとなった!」
桃姫:「なんて、、、恐ろしいことを!」
八咫丸:「下劣【げれつ】な!」
八咫烏:「して、、、主は?」
混沌:「寂しそうに笑う 五右衛門」
五右衛門:「おいらは死んで、、、黄泉帰り、、、最初に感じたのは、、、安堵【あんど】であった」
五右衛門:「娘までも 殺されたのに、、、おいらは安堵したんだ!」
混沌:「震える 五右衛門の手」
八咫烏:「そうで、、、あったか」
五右衛門:「お国は おいらに桃姫を殺すように命じた」
桃姫:「なら!、、、なら、なぜ殺さなかった!」
五右衛門:「出来るわけなかろう!」
混沌:「五右衛門の怒声が 屋敷に響き渡る」
五右衛門:「さて、、、立つんや、、、八咫丸!」
八咫丸:「うむ、、、」
混沌:「向かい合う二人」
八咫烏:「ん?」
混沌:「八咫烏の呼び掛けに、天に満月が登ろうとしていた」
八咫烏:「まさか!?お主!この時を待っていたのか!?」
五右衛門:「さて、、、手加減【てかげん】はいらへん!ここで、おいらに負けるなら!お前に桃姫は守れない!」
混沌:傾【かぶ】く構えを取る 五右衛門
八咫丸:「拙者、、、桃姫の刀として、そなたを斬る!」

織田:「つまらんのう、、、何をしておる?」
混沌:「つまらなく感じましたか?」
織田:「どうせ、この後の半蔵の一太刀【ひとたち】で終わるのじゃろ?」
混沌:「クスス」
織田:「、、、何を笑っておる?」
混沌:「いえ、、、そうはいかないのが、この、、、鬼恋恋歌」

五右衛門:「五右衛門流喧嘩術 激!突っ張り!」
八咫丸:「、、、く!」
桃姫:「八咫丸!」
八咫丸:「来てはなりませぬ!桃姫!、、、これは、、、命をかけた果し合いゆえ」
五右衛門:「いっちょ前に、かっこをつけてくれるのぅ、、、」
五右衛門:「ならば、小細工【こざいく】は不要!五右衛門、、、押してまいる!」
桃姫:「まて!」
混沌:「止められる 二人」
桃姫:「なぜ、二人が戦わねばならぬ!手を取り合う道はないのか!」
五右衛門:「すまぬ、、、桃姫。おいらの体は不可思議【ふかしぎ】な状態じゃけん」
五右衛門:「国がよこす 丸薬【がんやく】を飲まねば、この身は朽【く】ちるのだ」
桃姫:「そんな、、、」
八咫丸:「見たこともない丸薬ですな」
八咫烏:「国も恐ろしいことをするものよ!」
八咫丸:「、、、八咫烏。もう一度、月詠を抜こう」
八咫烏:「しかし、、、零れ水は 二度通じる技ではないぞ!」
八咫丸:「力には、、、力で答えたい!」
五右衛門:「そう、、、ここで、おいらに押し切られるようじゃあ」
五右衛門:「あんたらは どの道おしまいじゃ!」
桃姫:「お願いじゃ、、、妾の願いを聞いてくれ!」
混沌:「引かない二人、、、引けない二人」
五右衛門:「桃姫、すまねぇ、、、おいらは不器用な男だからよぅ」
五右衛門:「こういう方法でしか 答えられねぇんだ!」
桃姫:「五右衛門、、、」
八咫烏:「桃姫!、、、命をくだされ!」
八咫丸:「桃姫、、、」
桃姫:「八咫丸、、、」
八咫丸:「拙者は、五右衛門殿に示したい!、、、桃姫を守れる刀だと!」
桃姫:「そうか、、、そうするしかないのじゃな」
五右衛門:「半蔵、、、おいらを越えろ!おいらに、、、これ以上、子供の泣き顔を見せないでくれ!」
桃姫:「八咫丸、、、八咫烏!妾の名で命ずる!目の前の敵、、、五右衛門を討【う】て!」
八咫烏:「今宵【こよい】も月を呼べた! 我らに天は味方した!」
八咫丸:「月が隠した 闇を払おう、、、顔を上げろ!月詠!」
混沌:「先程まで鋼【はがね】であった 刃【やいば】はガラス様に輝く刀身に変わる」
五右衛門:「何度見ても美しい刀身よ、、、だが!おいらに同じ手は通じん!」
五右衛門:「次で終【しま】いや!」
八咫丸:「押し切るのは、、、拙者だ!」
五右衛門:「五右衛門流喧嘩術 激 突っ張り地獄!」
五右衛門:「おら!ら!ら!ら~!」
八咫丸:「黄泉流決闘術、、、」
八咫烏:「五月雨式【さみだれしき】、、、激流奏【げきりゅうそう】」
混沌:「夕立の音がする斬撃【ざんげき】、、、それは五右衛門の突っ張りを押しのけ襲い掛かる」
五右衛門:「こ、、、これが、あんたの全力か!八咫丸!!」
八咫丸:「五右衛門殿、、、あんたは強かった!」
混沌:「八咫丸が刀を鞘に納める と、同時に五右衛門は血の海の上に倒れる」

五右衛門:「これで、、、よかったんや」
混沌:「満足そうに笑う五右衛門」
混沌:「その傍【かたわ】らで鳴く 桃姫」
桃姫:「ひっくひっく、、、五右衛門!」
五右衛門:「桃姫、、、富士の地獄門を目指すんや、、、そこを閉じることは おまんしかできない」
混沌:「五右衛門は八咫丸に向け」
五右衛門:「桃姫を、、、頼む」
混沌:「と言い、目を閉じる五右衛門、、、思い出していたのは 桃姫と出会った日のこと、、、」

幼い桃姫:「おじさん!」
五右衛門:「、、、ん?」
幼い桃姫:「どうして泣いてるの?」
混沌:「小さなその子を斬ることを 命じられた五右衛門、、、だが」
五右衛門:「そうか、、、おいらは 泣いていたのか」
混沌:「その子と守れなかった 娘が重ねていた」
五右衛門:「なぁ、、、桃姫」
幼い桃姫:「なに?」
混沌:「ボロボロの服を生きた、、、彼女に嘘をつく」
五右衛門:「強く、、、生きるんじゃぞ」
五右衛門:「どれほど、憎まれ、、、石を投げられようとも、、、国がそなたを守ってくれるだろう」
混沌:「その嘘が、、、彼女を生かしていたことを、彼は知らない」

織田:「中々ものだが、、、物足りぬのうぅ」
混沌:「あなたにとっては、そうかもしれませんね 魔王様」
織田:「その五右衛門とやらは わざわざ半蔵に殺されに来たのだろう?」
混沌:「そう思われますか?」
織田:「頭を使わずともわかることよ、、、つまらぬ」
混沌:「私は、、、そうは思いませんよ?」
織田:「何故じゃ?」
混沌:「こうした経験が彼らという果実を美味しくさせるのですから、、、」
織田:「そういうものなのか?」
混沌:「ええ、、、」
織田:「なら、、、待つとするかの、、、あやつらの実が熟【じゅく】すのを」
混沌:「ええ、、、でも、その前に この歌も〆【しめ】ておきましょう」

桃姫:「八咫丸、、、五右衛門の墓を作ってくれたこと感謝するぞ」
八咫丸:「いえ、、、拙者も五右衛門殿の墓を建てたかった所存【しょぞん】」
桃姫:「そうか、、、」
八咫烏:「強き、、、男であったな」
八咫丸:「あぁ、、、手ごわい男であった」
桃姫:「そじゃな、、、五右衛門は」
混沌:「取り出した一輪の花を墓に添える 桃姫」
桃姫:「良き男であった、、、」
混沌:「二人は傘を持ち荷をまとめていた」
混沌:「五右衛門に言われた地獄門を目指すために、、、」
桃姫:「行こうかの!」
混沌:「こうして、、、桃姫たちは、、、五右衛門の残した光は旅に出たのであった、、、」
混沌:「これにて第弐門 酒吞童子 五右衛門は、終演でございます」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回は 化け狸 佐々木小次郎編となります